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小説置き場。更新は凄く気まぐれ。
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エルフィへ







元気にしていますか?
私は今、遺跡の調査から帰ってきたところです。隠された遺跡に足を踏み入れた感動は言葉に出来ないくらいでした。
断層と共に表れた遺跡の中は、トラップで溢れていました。きっと、盗賊からお宝を守るためなんでしょう。
お恥ずかしながら、私も何度か罠を踏んでしまいました。持ち物を落としてしまったり、壁まで吹き飛ばされたり、時にはワープによって隊列からはぐれてしまったり……けれど、一緒にいた皆のおかげで、最下層までたどり着くことができました。
暗くて、じめじめして、少しぬかるんでいて……私には苦手な環境です。しかし、そんなことも気にならないくらい、あのカビ臭さすらいとおしくてたまりませんでした。本物の遺跡の中に、時代を生き抜いた建造物の内部に、遠い昔から存在したそれらに囲まれた、そんな古いものたちが周りに満ちている……それが素晴らしくて、私は言葉も出さずに探検していたように思います。

この感動も時と共に薄れるのだと考えると、とても残念だと思って、こうして手紙を書きました。
手紙で伝えれば、またいつか思い出せるんじゃないかなと思って。やはり、こういう考えは子供っぽいですか?


ディリィとは、まだ友達ですか? 喧嘩したりしていませんか?
遺跡に行く前に、空の贈り物が届きました。送り主の名は、ありませんでした。
贈り物といえば、私もやったことがあります。贈り物をしたことがあるの、覚えていますか? 儚音さんに頼んで、お菓子の本を貸してもらいましたよね。ミラノを頼らず、ひとりでやったから、それはもう苦戦して、失敗して……でも、とても楽しかったですし、満足した覚えがまだあります。
私はあのお返しなんじゃないかなと思うんです。

「思っていることは口に出して伝えないと、相手にはわかってもらえないぞ!」って、ノアールに叱られました。
私はこの手紙を出したあと、彼に会いに行こうと思っています。理由は、私ならわかりますよね?
いろいろ考えると怖いけれど、もう“当
たって砕けろ”って感じです。きっと、これもノアールに影響されたんでしょうね。

思えば、ノアールのおかげで夢だった探検家にもなれたんですよね。彼女は私にとって、とても大事な親友です。できればこれからも、ずっと良い関係でいられたらいいのだけれど。ノアールとは喧嘩してませんか? もし喧嘩していたとしたら、ちゃんと自分の気持ちは伝えないとだめですよ。もしくは、自分が控えることを思い出してください。

まとまりがないですが、紙もきれそうなので、今回はここで終わりです。
また、お手紙します。ですから、未来のエルフィも、手紙を書いてくださいね。
それでは。


昔のエルフィより






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