小説置き場。更新は凄く気まぐれ。
――ちりん……
――ちりん
それは深く深い暗闇の世界
何も見えない、聞こえるのは『ココロのオト』だけ
鈴の音が、響く
それはまるで淋しそうで
それはどこか悲しそうで
それは何かを訴えているようで
――ちりん
錆びた金属同士が擦れ合い音を奏でる
それはまるで何かを告げるよう
まるで逃げる事のできない事実から逃れようとしているよう
――ちりん
木霊する錆びた音色
それは誰かの『ココロ』の声
『コトバ』を伝えられない誰かの声
誰かが奏でる不思議な『オト』
――ちりん
聴こえてくる心
響く音色
そこは深く深い暗闇の世界
何も見えない、聞こえるのは『ココロのオト』だけ
そこは深く深い暗闇の世界
『ユメ』と呼ばれる不思議な世界
ふと、暗闇が薄れる
光が射したように、世界がぐにゃりと歪む
それは合図
『ユメ』から覚めた、合図
誰かの夢が終わった合図
誰かの心が何かを伝え終えた合図
――ちりん
鈴の音が、響いた
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