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小説置き場。更新は凄く気まぐれ。
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(昔書いたものを少しだけ修正したものです)

「探検隊アチーヴ!うん、これで君たちも立派な探検隊♪一緒に頑張って行こうね!!」
目の前の親方はそういって楽しそうに笑う。
「まぁ……私たちはこのギルドで修行するわけではないが……」
まるで何か余計な事を付け加えるかのようにクサリは呟く。
彼女は探検隊をやりたいなど微塵にも思っていなかったので修行の件についてはきっぱりと断っていた。
しかし探検隊には勝手に猫とコリルに登録され、挙句リーダとまでされてしまっていた。
探検隊の名前はその猫が命名した物なのだが……
「探検隊セットはまだ用意ができていないから、明日僕のチームの誰かが届けに行くね!!」
プクリンの隣りでギルドの卒業生でもあるコリルはにっこりと嬉しそうな笑顔を向けた。
後で聞いた話だとこのコリルの所属しているチームはすでに高いランクにまで昇格している凄腕ぞろいなのだとか……。
「こりあえず今日はもう遅いし君たちはもう帰ったほうがいいよ」
「それもそうやなぁ。じゃ、帰ろかクサリー♪」
最後に猫がそう答え、ひとまずはギルドを後にした──


4話 朝早くの訪問者


「はぁ……なんでこんな朝早くから俺が」
朝早く、虚ろな目を擦ってそうぼやくグレイシア
「今日は私と君が休みなんだから……私が決めた事に文句言わないでよ?」
「だからって今何時か分かってるか?朝8時とか例の新人だって寝てんじゃないのか?」
まだ朝早いこともあり、グレイシア──スノウリンはうつらうつらと目を擦ったり小さく欠伸したり
「文句言うなら休み無くすよ?」
の隣りで物静かなメガニウムが小さく黒めいた言葉を放つ。ニコリと怪しげに微笑む。
「いや、悪かった!それは勘弁してくれって……ってかあれじゃないか新人の基地って?」
軽く謝るような素振りを見せた後、少しはなれた場所に今回の目的地らしきものを見つけ話をすり返る。
「……コリルの言う通りだとそうだね」
そう呟き、メガニウム――ユエはそちらに目を細めた。


「ここにもいないな……」

目覚めたクサリはというと家──今日からは基地となるが──の中でちょっとした人探しをしていた。
探しているのは勿論昨日会ったばかりの猫。
このクサリの家には広いめのリビングに部屋が6つほどあり、そのうちの一つを昨日猫に使わせていた。
が、クサリが目覚めてすぐ覗いて見たが姿は一つも見当たらない。今ので全部の部屋を見たことになるが何処にもいない。
「まったく、何処へ行ったんだ……」
と、少し苛立っているクサリの耳に音が聞こえる

──ちりん……

昨日何度も聞いたその音は外から響いてきている事が分かる。
まさかとは思い、クサリは外に通じる扉に歩み寄る。
キィとゆっくりとした音をたてて扉を開く、と──

「んー?あ、クサリかーおはようさん」
すぐ近くに立っている5mほどの木の上でエネコロロはこちらを見下ろしてくる。
「いなくなったと思えば……お前は木の上に登るのが趣味なのか?」
「だって気持ええねん高い所て、それに眺めいいでお客さんもすぐ見つけれたんやで!」
「客?」
猫はクサリがからかうように行ったのを軽くあしらい少し向こうのほうを見つめる。
「昨日コリル君が言うてたやろ?多分二人おるで。もうすぐそこまで来とる。」
「……私には見えないが?」
しかしそう呟いて数分、クサリの目にもその訪問者が映る。

「ここであってんのか?アチーヴ基地って?」
「その、筈だけど……」
そこにやって来たのは猫が言ったとおり二人組み。
一人は物静かで落ち着いたメガニウムの少女、もう一人は明るそうだが眠気で少しボーッとしているグレイシアの少年で何かの箱のようなものを持っている。
この二人が例の探検隊の一員だろう、猫はそう推測する。
「そうやで~ここがアチーヴの基地や。あんたらがコリル君所の仲間っちゅう人ら?」
猫は木の上から少し迷っている二人に声を掛ける。
「ん?ああ、コリルは俺達の副リーダーだけど?お前が例のアチーヴってとこのリーダーか?」
一番にその声に気づいたグレイシアが見上げる。
「俺はそのコリル君と同じ副リーダーの猫♪で、リーダーはそこにおるクサリや。」
そういい自分の真下にいるグラエナを見下ろす。
クサリは小さく溜息をついた後
「私がリーダーのクサリだ、よろしく頼む。」
勝手にリーダーに選んだのは猫なのだが……。
そんなことを考えている間にもグレイシアが口を開く。
「俺はヴィビッツのスノウリン。で、こっちの冷静な奴が――」
「ヴィビッツリーダー……ユエ。よろしくね」
ユエはそう言って小さく微笑む。
因みに彼女も勝手にスノウリンにリーダーにされている。
ユエが名乗り終えるとスノウリンはクサリの元へと歩み寄り、
「これ、探検に必要なものとかこの中に入ってっから」
持っている箱のようなものを前に出し、簡単に説明する。
「おお、凄いやないの♪俺にも見してさ!」
「うわっ!?な、なんだよ脅かすな!」
興味が沸いて来たらしく猫が身軽にスノウリンのすぐ隣りに着地する。それに驚き、スノウリンの眠気は一瞬で吹き飛んだよう。

そんな中、少し黙っていたユエは少し離れたところにクサリを呼ぶ。
クサリに小さな封筒を手渡す。
「依頼、選ぶの困るだろうと思ったから……簡単なの選んできてあげたよ」
「ああ、すまないなわざわざ」
「気にする事でもないよ、そんなこと」
そう言い小さく微笑んだ後、ちらと猫を見て、
「もともとはネコだったんだってね……あの子。……コリルから聞いたよ」
おもしろそうにスノウリンにじゃれる猫をクサリも横目で見る。まるでこの世界に着たばかりとは思えないような不安のない顔……。
「私も猫と会ったのは昨日だからよくは知らないが……」
「……私は本当は人間。あっちのスノウリンも同じでね……」
驚いた?とでも言いたそうな顔を向けられ、クサリは軽く頷く。
「最初は大変かもしれないけど……君もあの子もすぐ慣れると思うから……」
「ああ……とりあえず今日はこの依頼とやらをやってこればいいんだな?」
そう言いながらクサリは封筒から小さな紙切れを取り出す。
「ええ……初めての依頼だからここからも1番近い海岸の洞窟を選んで置いたから」
そう言った後彼女はスノウリンに呼びかける。
「じゃ、私たちは戻るね……何かあればいつでも呼んで」
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