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小説置き場。更新は凄く気まぐれ。
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ぽかぽかと、とても暖かい昼下がりだった。


レブルの少ない休憩時間を利用して、凛鈴は珍しく街の方まで足を運んでいた。
いつもはフェデラルに任せっぱなしである買い物。たまには自分で行ってみようと思ったのである。
勿論そのほうが食事のための食材を選ぶにしても、怪我の手当てのための薬を選ぶにしても都合は良い。
誰かに頼むより己で見て触れたほうがよっぽど良いのだから。


「さてと……あとはリーちゃんを待ってたらいいだけだね」

一緒に来ていた幼馴染、リアゼムの名前を呟き、近くにあったベンチに荷物をおろす。
ポケモンたちが多く行き交うせわしない町の通路とは違って、そこはゆったりとした噴水の広場。ベンチは丁度、座ると噴水を背にするような向きに置かれている。
通り過ぎていく人々もまた、ゆったり。和やかだ。
待ち合わせのその場所でとりあえずのんびりと、時が過ぎるのを待とうと思っていた。



「――あれ? ひょっとして凛、凛なの?」

生暖かい空気に意識が少し遠退いていたのだろう、いきなりかけられた……と思われる声に肩が跳ねてしまう。
自分に声を掛けるものは限られている。
レブル――ムース、フェデラル、シェスティン、それこそ一緒に来ているリアゼムや、護衛しているスバルまで。
けれどこの声は高くて、きっと女の子。つまりは霧兎守とフェデラルは違うわけであり、またシェスティンのような幼い声でもなく、どちらかと言えば大人だろう。スバルは屋敷から出てくるはずもない。
だからといって長らく付き添っている幼馴染の声を忘れるはずは無い。リアゼムとも合点しないのだ。
けれど、その声にはリアゼムと似た――とても、とても親しみやすい懐かしい響きがあった。

「……エーちゃん?」



――――――――――――――――――
むかし途中であげていたもの。
また書ければ出すけどもとりあえず。
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