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小説置き場。更新は凄く気まぐれ。
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ここに足を踏み入れる者を直に見るのは初めてだった。

私たちは、外から来る奴らから見れば“珍しい”。



普段は人目につかない、滝の上流の、ねじ曲がってごつごつと岩肌が尖る場所の奥の奥に身を潜めていたから、誰もそんな場所を探索しようなどとは思わなかったんだろう。
いかにも人は通りたがらないような場所。
私たちはそこで暮らしていた。

だから、珍しいのは私たちだって同じだ。

滅多に人通りのある場所にまで姿を出さないのだから、こちらだって山の外のものを見ることはほとんど無い。



現に私は、『あいつら』を初めて見る――人通りのある場所に近づいたのが初めてだから当たり前なのだけれど。
私たちは“珍しい”らしいから、大抵人に見つかると厄介だと聞いた。

けれど、人は――人の仲間のポケモンは強いらしい。
私たちの得意とする炎を使う奴もいれば、皆が嫌う草や電気だっているらしい。
まぁ、私は炎も草も電気も見たことがないから分からないのだけれど。



強いって、どれくらい強いのだろう。



『あいつら』は強いのだろうか。



皆とも、山のポケモンとも違う『あいつら』はどんななのだろう。



見ているとわくわくして、目が離れなくなって、注意がすべて『あいつら』に向いてしまう。



外から来ただろう『あいつら』。

初めて見る『あいつら』。

さっきから山のポケモンを払い除けるように倒して行く『あいつら』。

皆とはまるで違う戦い方を持っていて、見ていて飽きない。
それは、皆との戦いに飽き飽きしていた私の興味をひどくそそった。


「――面白そう」


私は地を蹴り、ごうごうと落ちる滝の頂上から、岩の道へと飛び降りた。
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